アート天国、日本
スタッフ通信
日本は世界最大のアート天国かもしれません。
ただ、天国といってもちょっと偏った天国です。
というのも、日本は世界最大の「見るだけ天国」なのです。
日本はアートの関心度は、他国と比べて決して低くないのです。
一方で、国内アートマーケットの売り買いはリーマンショック以降は低調です。
日本人にとって、アートを買うことについて、非常に見え臆病になっているのでしょう。
そして、アートを購入するときは、いつもこれに何の価値があるのだろうと悩むのです。
日本では、アートは美術館に見に行くものだという固定概念からなかなか抜けきれません。
だが、アートは購入することでしか得られない喜びがあるのも事実です。
アート、その価値を例えるとすれば、少し宝石に似ているかもしれません。
あんな小さなものにお金を出すのですから。
でも、その希少性の美しさからは、誰も文句はいいません。
宝石の価値は、その意味では幻想につつまれた美なのです。
その幻想をもっと結晶化したものがアートだといっても言いすぎではないでしょう。
ですので、アート作品には、人間が作りだした美への思いが凝縮されたものであるのです。
それ故、使用価値という実態がないにもかかわらず所有したいと思えば高い代償を払わなければなりません。
高い価格でアートを買い、それを管理して飾る場所を確保するよりも、美術館に気軽に行って楽しむ方が日本人にとってはいいのかもしれません。