プラトンは写実絵画に懐疑的


只今、デビットホックニーという画家の分厚い本を読んでます。ここでかなり気になった点があったので、ちょっと備忘録でまとめておきます。ホックニーの理論は、写真も絵画もすべて3次元の我々の社会を2次元に落とし込んで表現するのが、平面美術であると考えています。そこには、3次元を2次元に落とし込む以上、ある意味無理が生じるので、どう落とし込むかを楽しむのが、美術の楽しみ方であると考えているようです。

その中の本にプラトンは写実絵画を嫌っていたというくだりがありました。写実絵画は当時も力を持っていて、人々をだますテクニックとして当時かなりつかわれていたようなので、嫌っていたようです。

ソクラテスも以下のように言っていたようです。「絵は物が実際にどのようなものかに目を向けず、それがどう「見えるか」しか問題にしないからです。水に差した枝は曲がって見えるけども、それは真実ではない。「情景を描くもの、奇術師やその仲間は私たち生来のこうした弱みにつけこみ、魔法のような効果で私たちを出し抜く。」

どうやらこの背景には、プリニウスの記述による、ゼクシウスという画家が写実性を持った歴史上最古のスター画家で、絵を描くという事にかなり技術を使いお金を儲けたことによる弊害をおもんばかってのようです。

アートをめぐる議論は面白いので逐次紹介していきます。