田中拓馬のアート武者修行 その3


田中拓馬のアート武者修行シリーズです。以前ニューヨークのゲストハウスに泊まり、日本とニューヨークを行き来してた頃、京都大学のM君という、かなり生意気な学生に会いました。彼が言うには、僕はアートのロジック、基礎的考えが不足しているという事でした。

確かにそれまで絵の描き方は学んでましたが、アートのロジックや、ほかの分野のアートの知識はありませんでした。例えば、建築、写真やそれらを越えたもの、例えば庭園とか。

そこで四谷に当時あった実験的美術学校で、近畿大学からお金を出してもらい作っていた四谷アートステュディウムに入学しました。ここは実験校で最先端の講師や実験的な取り組みをすることで有名でした。

主任ディレクターだったのは、岡崎乾二郎さんで、彼のゼミといくつかの授業を履修しました。岡崎さんには、僕は早稲田で法律を勉強して司法試験を学んだで来たというと、基礎法は学んだか?と聞かれました。このように基礎の基礎を探るのが、この学校の特徴で海外の美術大学を出た方や、武蔵野美術大学で院生だった外国からの留学生もきてました。

第一回目のフィールドワークは六義園を分解するというものでした。みんなで東京の六義園という庭園に行き、五枚の紙を渡されました。これで六義園を分解し全体像を表せという課題でした。これには困惑しました。続く。